「ネットvs.リアルの衝突―誰がウェブ2.0を制するか (文春新書)」

 タイトルから受ける印象と、中身を読んでから受ける印象にギャップがありました。いきなり冒頭からWinnyの話が出てくるせいもあるのでしょうが、どうも焦点がぼけている感じを受けました。

 筆者言いたいことは、ネットの社会がどんなに発達したとしても、リアルからの影響は排除仕切れないと言うことなのかな。むしろ、ネット側の力が強くなればなるほど、リアルからの干渉を受けるようになる。
 これはある意味当然と言えます。使っている人間が少なく、悪意を持っている人間が居なければ、リアル側としてはほっといても何の影響もありません。しかし、ネットを使う人間が増え、そこにいろいろな人間が入ってくると、良くも悪くもそこに社会が誕生する。そこには当然良い人もいるし、悪い人もいる。当然リアル側もそれを管理しなければいけないという発想になる。ネット側の人間は、あくまですべての人間の立場が対等と考え、管理を嫌う傾向がある。そこでネット側の人間とリアル側の人間の衝突が発生してしまう。
 ネット上の仮想世界に社会が誕生するという、これまで無かったことが起きたために、ネット側の人間もリアル側の人間も、どうすることがベターなのか分かりかねている。それが今の状態。
 当然、今のままで良いはずもないので、いろいろなものを変えていく必要があります。法律や社会の仕組みもそうですし、一人一人の考え方も。